カイゼン学校で教え始めて半年ほど経った後、日本へ一時帰国した際に、カイゼン学校で教えた学生に会ったことがあります。そこで、私たちが教えることで大切なのは、日本語はもちろんですが、それ以上に、「意識」、そして、学んだ日本語をツールとして、どう使っていくかを教えることが大切なのだと思いました。そして、いくら日本語ができなくても、会社の人や仕事に対して、誠意ある対応をしていれば、日本での生活はとても有意義で楽しいものになるのだと思いました。
ある日、いつもは元気な学生があまり元気がなかったことがありました。わたしは、授業を受ける姿勢が悪かったので、それを注意しました。その時、「今日は元気じゃありません。頭が痛いです。」と言われました。わたしは、「元気じゃないとき、先生に言わなければいけません。日本で働く時、管理者に言わなければいけません。」と言いました。そして、その理由を伝えました。「体調が悪くて元気がなくて、いつものように働けないと、あまり真面目に仕事していないように見られることがある。真面目に働いてるのにさみしいですね。」日本で働くことを想定して、指導していくこと、これは、わたしが先輩に教えてもらったことです。
それを指導したクラスの学生が、「今日は少し熱がありますから、あまり元気じゃありません。」とわたしに言ってきたときは、成長を感じられ、とても嬉しく思いました。
カイゼン学校で働き始めて10か月が経ちました。これまで、実習生クラスや技術者クラス、こどもクラスを担当させていただき、いろんな学生と触れ合うことができました。彼らの共通することは、強い目的意識を持っているところ、カイゼン学校の厳しい指導についてくる強い意志をもっているというところ、そして何でも吸収して成長しようという高い向上心をもっているところです。敢えて自分を厳しい環境に置き、成長しようと思っている学生たちを見ると、とても尊く思います。そして、そのサポートができる自分の仕事を誇らしく思います。まだまだ試行錯誤で、いろんなことに悩みながら教えることもありますが、彼らの実習期間が、彼らの将来に役立つ有意義なものになるよう、伝えられるだけのことを伝えて、日本へ送り出したいです。そして、彼らと一緒にわたしも成長していきたいです。